B型事業所は誰のため? | 施設長の学び!

B型事業所は誰のため?

B型事業所は誰のため?
 某テレビの福祉関連番組で、福祉施設(障害福祉サービス事業所)で働いている人たちの工賃についての特集が放送されました。
 全国的に工賃が低い実態や、収益を伸ばしている先進的な施設の事例などを紹介。障害者福祉の啓発として、施設運営の模範として、有意義な内容でした。

 番組では、全国の平均工賃額などが示される際、画面の下部に「就労継続支援A型事業所は除いている」旨のテロップが出ていました。
 工賃の低さを問題視すべきは就労継続支援B型事業所のみ…ということでしょうか。


 労働基準法に則って利用者さんに給料を支払うのがA型事業所です。作業で得た利益を利用者さんの間で分配するのがB型事業所です。
 最低賃金が規定されている(例外もありますが)A型では工賃の問題は生じないが、B型は工賃が低くて不安定…との認識が、番組の背景にあるのかも知れません。

 最低賃金を支払うA型がある現状で、B型の工賃向上が訴えられていることに、私はどこか歪んだものを感じてしまいます。

 ウチが行なっているのは、就労移行支援と就労継続支援B型の2事業です。
 地元を見回すと、ここ数年の間に、障害福祉サービス事業所が増えてきました。そのほとんどは就労移行かA型。

 A型であってもB型であっても、障害のある人たちの働く場を運営している以上、その労働の価値を高める努力や成果が、施設側には求められます。
 そして近年、就労移行やA型の新設が相次ぎ、B型を上回る工賃(給料)を望む人の選択肢が増えつつあります。

 このような状況で、B型を利用するのは誰でしょう?

 A型と補完関係にあるとするならば、B型は「作業能力が最低賃金に至らない人」や「工賃よりも労働環境に価値を見出している人」のために存在すると言えそうです。
 「通勤範囲にB型しかない人」もいるでしょう。「施設自体に強い愛着がある人」も考えられます。

 利用する人たちの選択肢が増えていく中、ウチはどのような価値を打ち出せるのか?
 労働の在り方とともに、私は施設の将来を考え続けています。

photo credit: JD Hancock via photopin cc