施設長の学び!

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それぞれの人生、それぞれの幸せ

それぞれの人生、それぞれの幸せ
 「私が死んだら、この子はどうなるのか…?」と苦悩する親御さんがいます。
 「できることなら私は、この子を看取った翌日に死にたい」と訴える親御さんもいます。

 “親亡き後”は、障害児・者がいる家庭にとって大きな課題です。


 障害児・者の家族らで組織する「全日本手をつなぐ育成会」が以前、「障害認識プロジェクト」という事業を展開していたことがあります。
 家族支援のために考案されたグループワークなどのプログラムを、全国の育成会支部で行なっていくものです。

 プログラムの対象は、障害児・者の親御さんたち。
 障害のある我が子の世話に追われるあまり、依存的になってしまっている人も少なくありません。このような親御さんに、「親と子は独立した人格であり、個別に生きていくもの」と気付いてもらうのが、プロジェクトの目的です。

 かつて私は、プログラムを実施する際のファシリテーターを務めたことがあります。
 グループワークでは、家庭生活についてのディスカッションや、障害児の立場になるロールプレイなどに取り組んでもらいます。親御さん5~8人がワークに取り組み、自分の想いを打ち明けたり、グループメンバーの体験談に耳を傾けたりします。
 ファシリテーターの私は、メンバー同士の会話が活発化するように気を配りました。

 私が担当したいくつかのワークでは、途中で泣き出してしまう人や、黙り込んでしまう人も。
 ですが、おおむね参加者には好評だったようです。ワーク後に表情が晴れやかになり、「自分の幸せを追い求めても良いのだと気付きました」との感想を述べて下さった人もいます。

 子供の幸せは親にとって喜びではあるものの、両者の幸せは決して“イコール”ではありません。
 どこかの時点で、子供は親離れを、親は子離れをしなければ、“死ぬまで一緒に”という歪んだ親子関係が生まれてしまうでしょう。

 それぞれの人生、それぞれの幸せを、前向きに模索すること。
 積極的に情報を集め、社会資源や福祉制度を活用すれば、決して不可能ではないはずです。

photo credit: Thomas Gehrke via photopin cc