和風ファンタジーの趣 『ヴォイド・シェイパ』

 森博嗣の時代劇(!?)。

 伝説的剣豪に山奥で育てられた青年ゼンが、旅をしながら剣士として成長していく物語…らしい。著者独特の淡白な文体に加え、人名がカタカナ表記だったり、時代や地域を特定してないことから、“外国人が書いた和風ファンタジーの邦訳”みたいな趣。

 それでも、さまざまな人々に出会い、剣を交える中、ゼンが「強さとは?」「生とは?」「死とは?」「剣の道とは?」などと迷い悩み、答を見出そうともがく姿には、どこか骨太なものが感じられます。

 作中には、新渡戸稲造『武士道』の抜粋が。理系思考が特徴的とされる著者による、日本人のメンタリティについての解釈という風にも読める物語。

 シリーズなので、続きが楽しみ♪

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