小説

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ピアニストの登竜門 4人の挑戦描く 『蜜蜂と遠雷』

恩田陸の音楽小説(?)。  ピアニストの登竜門として知られる国際コンクールが舞台。異なる立場、異なる思惑、異なる才能を持ったコンテスタント男女4人、それぞれの挑戦を描く。  ピアノが奏でる楽曲を文章で... 【続きを読む】
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怪異と不条理の奇譚集  『夜行』

森見登美彦のオムニバス的な奇譚集。  10年ぶりに集まった5人の男女が、奇妙な体験を語り合う。 エピソードは多様だけど、失踪した女友達や、夭逝した銅版画家による連作「夜行」など、共通の背景がある。  ... 【続きを読む】
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人生俯瞰する主人公 諦念漂う名作SF 『スローターハウス5』

カート・ヴォネガットの自伝的(?)SF。  時間の流れから解き放たれた主人公が、みずからの人生をランダムに俯瞰する。 第二次大戦に出兵して猛爆撃に遭ったり、思いがけず大富豪になったり、奇妙な異星人に拉... 【続きを読む】
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異能の主人公 読ませるサスペンス 『脳男』

連続爆破事件の爆弾魔を追い詰めていた警官隊の前に、突如現れた青年・鈴木一郎をめぐるサスペンス。  脇役が不自然なほどに個性的だったり、設定や描写の細かいところと雑なところの落差が大きかったり。 何とも... 【続きを読む】
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宇宙戦争の輪郭 浮き彫りにする短編集 『航空宇宙軍史・完全版』(二)

谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編第2巻。短編集2冊の合本。  前巻で開戦時のエピソードが語られた第一次外惑星動乱、その大戦の輪郭を、太陽系各所での大小さまざまな戦いを通して浮き彫りに... 【続きを読む】
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新たな動乱が迫る 航空宇宙軍史の続編 『コロンビア・ゼロ』

谷甲州による「航空宇宙軍史」シリーズ22年ぶりの新作。 地球-月連合と外惑星連合が激突した第一次外惑星動乱から40年後を描いた、オムニバス短編集。  外惑星連合諸国が敗戦から復興し、戦勝国との摩擦が再... 【続きを読む】
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渋さがクセになる 連作SF戦記 『航空宇宙軍史・完全版』(一)

谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編。その第1巻は、長編2本がまとめられた、お得な一冊。  人類が太陽系へ進出してる未来世界を舞台にした、連作の戦記モノ。 なんだけど、“スペースオペラ”... 【続きを読む】
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主人公が探偵に 社会派ミステリ連作 『希望荘』

宮部みゆきの連作短編集。 甘くはないけど胃腸に優しいプレーンヨーグルトみたいな主人公・杉村三郎が事件に巻き込まれる、社会派ミステリシリーズの一冊。  前作で“逆玉の輿”からドロップアウトしてしまった主... 【続きを読む】
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馬琴の伝奇巨編 大団円までの執念 『八犬傳』(上・下)

ユニークな切り口で書かれた、山田風太郎による『南総里見八犬伝』。  室町時代後期として設定された物語パートと、それを創作してる江戸時代後期の滝沢馬琴パートが、交互に連なる趣向。 前者は、全98巻106... 【続きを読む】
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