小説

天竺堂の本棚

硬派テイスト 異色のミリタリーSF 『星系出雲の兵站』(1~4)

兵站を前面に打ち出してる、異色のミリタリーSF。 遠未来の植民星系を舞台にした、未知なる存在の侵略行為に対抗する、軍事組織や統治機構での群像劇。  戦争での補給や備蓄管理などの後方支援が兵站で、作中で... 【続きを読む】
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どんでん返し 相棒に降りかかる 『その裁きは死』

面白いミステリーにどんでん返しは付きモノ。 そして、探偵に相棒がいる場合、どんでん返しは相棒へ降りかかる。  なぜならば相棒である“ワトソン役”は、読者の側に立って、事件の謎に翻弄されたり、事件の真相... 【続きを読む】
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地方都市での事件 新米刑事と挑む 『冬の狩人』

新宿警察署のベテラン刑事・佐江が活躍する、大沢在昌の“狩人シリーズ”。 今回は関東近隣の地方都市を舞台に、地元企業のスキャンダルに絡む事件へ、新米刑事と共に挑んでいく。  新聞連載だったせいか、一節(... 【続きを読む】
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青年コンビ活躍 連作時代劇 『きたきた捕物帖』

宮部みゆきの連作時代劇。 帯にあった「謎解き×怪異×人情」は実際そのとおりで、絶妙なブレンド具合でもって読ませます。  タイトルの「きたきた」が暗示してる、岡っ引き見習いだった朴訥な主人公・北一と、奇... 【続きを読む】
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主役より忙しい? 相棒役の著者 『メインテーマは殺人』

シャーロック・ホームズの友人・ワトソン博士とか、明智小五郎の助手・小林少年とか、バットマンの弟子・ロビンとか…。  彼ら“相棒”は意外と忙しい。 事件の謎に対して強引な憶測を展開し、物語の行方をミスリ... 【続きを読む】
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ケレン味あふれる将棋ミステリ 『死神の棋譜』

とても現実とは思えない、常識では考えられない…そんな殺人事件が、現実的で常識的な決着を迎えるというのが、ミステリーのひとつの定形だろう。  本書は奥泉光による、将棋界を舞台にしたミステリー。 矢文で届... 【続きを読む】
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ドライな死生観 戦国忍者の闘い 『忍びの国』

忍者って、超能力者かミュータントかというド派手なものから、農民以上盗賊未満ほどの地味なものまで、いろんな描かれ方がある。  戦国時代に忍者と武士が激突した「天正伊賀の乱」を扱ってる本書では、登場する忍... 【続きを読む】
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巨大マンション 弱肉強食の空間に 『ハイ・ライズ』

J・G・バラードによる、純文学みたいなSF。  英ロンドンの郊外に建てられた、40階建て1000戸という巨大な分譲マンションが舞台。内部にはスーパーマーケットやプール、レストラン、学校などが整備されて... 【続きを読む】
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空気感や心情 学生時代がよみがえる 『四畳半神話大系』

人生も半世紀を過ぎたというのに、過去にしでかしたアレコレの思い出に、しばしば悩まされる。 もう関係者は忘れていて、ウジウジこだわってるのは私だけなんだろうけど、どうにも頭から離れない。このまま長期記憶... 【続きを読む】
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