天竺堂の本棚 ~読書は最高の娯楽です~

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物語世界の“真実”や“外側”あらわに 『天冥の標8 ジャイアント・アーク』(1・2)

小川一水の大河SFシリーズ第8部。 第2部で何百年も時代をさかのぼり、そこから時系列に語られてきた物語が、第1部につながる。  2分冊の前半は、第1部の物語を別の視点から語り直したもの。 第1部で脇役... 【続きを読む】
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シェルターの子供たち 生き延びる闘い  『天冥の標7 新世界ハーブC』

小川一水の大河SFシリーズ第7部。珍しく前作の直後から始まる。  太陽系規模のカタストロフを受け、地下都市がパニックに陥った小惑星セレス。巨大シェルターに避難した子供たちの集団が直面する、過酷なサバイ... 【続きを読む】
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カタストロフ招く 賤民たちの怒り 『天冥の標6 宿怨』(1~3)

小川一水の大河SFシリーズ第6部。 全10部で構想される本シリーズは、半ばを過ぎて大きな転換点を迎える。  物語を引っ張るのは、致死性のウイルスを撒き散らすために賤民のように扱われてる患者集団「救世群... 【続きを読む】
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ノンフィクション

若者むしばむ “滅私奉公”風土や奨学金 『ブラック企業と奨学金問題』

若年層をむしばむ社会問題の実際が分かる本。 多重債務者を支援する団体が開いたシンポジウムでの、専門家たちの発言をまとめたもの。  長時間労働などの違法を強要するブラック企業でも、若者たちは正社員という... 【続きを読む】
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宇宙規模の背景 徐々に明らかに 『天冥の標5 羊と猿と百掬の銀河』

小川一水の大河SFシリーズ第5部。  小惑星にある農場で日々の仕事に追われる、男やもめの農夫が主人公。 低重力の閉鎖環境で営まれる農業の様子とか、従事してる農民たちの暮らしぶりなどが、詳細に描かれてい... 【続きを読む】
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SF版の「金瓶梅」? 「好色一代男」? 『天冥の標4 機械じかけの子息たち』

小川一水の大河SFシリーズ第4部。 前作と舞台は共通してるものの、作風はまたも一転。  自律してるアンドロイドたちが棲む小惑星世界に迷い込んだ、青年の成長物語。 …とも言えるんだけど、実態はSF版の『... 【続きを読む】
ノンフィクション

心理療法の世界 練達の専門家たち 『セラピスト』

心理療法について取材した、最相葉月のノンフィクション。  風景構成法を考案した精神科医・中井久夫や、箱庭療法を国内に拡めた心理学者・河合隼雄など、練達のセラピスト(治療者)たちによるカウンセリングが紹... 【続きを読む】
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舞台は小惑星帯 熱いスペースオペラ 『天冥の標3 アウレーリア一統』

小川一水の大河SFシリーズ第3部。 近未来(ほぼ現代)のパニック小説っぽい前作から一転、未来の小惑星帯を舞台にしたスペースオペラに。  木星の大赤斑で発見された古代遺跡をめぐり、宇宙海賊たちの組織と、... 【続きを読む】
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連続殺人鬼の主人公 模倣犯を追う 『ハサミ男』

殊能将之のミステリ。  世間から「ハサミ男」として恐れられるシリアル・キラー(連続殺人鬼)が主人公。 このハサミ男の人物造形が秀逸。犯行の動機がスッポ抜けてたり、強い自殺願望を持ってたり、ツッコミ役み... 【続きを読む】
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