天竺堂の本棚 ~読書は最高の娯楽です~

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D機関の諜報戦 史実に虚しさも 『ラスト・ワルツ』

第二次大戦前夜に世界各国で暗躍していた、日本軍のスパイ養成機関「D機関」を描くシリーズの中編集。これが最終巻かも。  超一流スパイであるD機関メンバーから見ると、他の登場人物たちは、騙したり利用したり... 【続きを読む】
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“良い教育”とは? 哲学から模索 『教育の力』

教育哲学の研究者が、学校教育の在り方について提言してる本。  自由を手に入れる力を与えるものが教育であり、互いの自由を承認し合うことを学ぶ場が学校である…というのが、著者の持論。 その考えを基に、良い... 【続きを読む】
ノンフィクション

内戦の東アフリカ 体当たりの探訪記 『謎の独立国家 ソマリランド』

アフリカ東端にあるソマリアや、そこから非公式に独立したソマリランドなどの探訪記。  激しい内戦が続く“リアル北斗の拳”なソマリアにあって、ソマリランドでは人々が武器を捨てて民主主義政権を樹立したらしい... 【続きを読む】
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深まる“仮定体”の謎 大掛かりな間奏曲 『無限記憶』

SF大作『時間封鎖』の続編。 前作から30年後の異星が舞台。  包んだ惑星の時間を速めるバリアーとか、地球と異星を繋げる巨大アーチとか、そんなシロモノを生んだ存在“仮定体”の謎に迫る内容。 なのに、い... 【続きを読む】
ノンフィクション

鬼の柔道家 面白すぎる人物評伝 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(上・下)

鬼と呼ばれた柔道家の生涯を描いたノンフィクション。  全日本連覇や天覧試合制覇、プロ柔道の旗揚げ、プロレスラーとしての海外遠征、グレイシー柔術との伝説的な対決、力道山との運命的な決闘…などなど。 波乱... 【続きを読む】
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長編の間埋め 世界観が緻密に 『機龍警察 火宅』

『ワイルド7』と『パトレイバー』と『新宿鮫』と『ボトムズ』を混ぜ合わせ、今野敏あたりを振りかけたような近未来SF警察シリーズの短編集。全8話。  それぞれ独立した話だけど、これまでの長編群の隙間を埋め... 【続きを読む】
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娯楽満載のSF巨編 大団円のエンディング 『エンディミオンの覚醒』(上・下)

『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』『エンディミオン』と続いてきた、SF巨編の最終巻。  さまざまな娯楽小説の要素と、SFガジェットがテンコ盛り。 長崎の卓袱料理とか、高知の皿鉢料理みたいな、何でも... 【続きを読む】
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信者らの宗教観 “濃い/薄い”で説明 『教養としての宗教入門』

宗教研究者が世界各地の宗教を紹介した本。 メジャーな8つの宗教の、それぞれの成り立ちや教義などを分かりやすく解説。  宗教観を“濃い/薄い”で説明してるところが特徴。 信者と見なされる人々でも、宗教由... 【続きを読む】
マンガ

逃げても流されても 今を肯定できている 『銀の匙』(1~15)

偉人は「大志を抱け」と煽り、歌手は「夢をあきらめないで」と促し、アニメは「思い込んだら試練の道を」と決め付ける。 世間には“将来の目標を早期に定め、一途に前向きに努力して達成する”ことを最上とする、い... 【続きを読む】
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