健気な“家族”の群像劇 『昭和元禄落語心中』(1~10)

 雲田はるこの落語マンガ。
 刑務所を出たばかりの元ヤクザの主人公が、名人と呼ばれる落語家に弟子入りし、芸を磨いていく。

 “鬼コーチにしごかれて才能が開花”系かと思ったら、中盤で物語は戦前へ。後に名人となる若き落語家たちのドラマと共に、落語界の盛衰が物語られる。
 奥行きが出てきたところで舞台は現代に戻り、主人公が落語界を盛り立てるべく奮闘。

 いろんな葛藤を抱える者たちが寄り集まり、健気に助け合う、“家族”の群像劇みたいな側面もあって読ませます。

 落語の導入“まくら”の部分を、チマチマした手書き文字にして、アドリブをボソボソしゃべってるカンジを出すなど、マンガ表現の工夫がまた面白い♪