追随許さない、美や快楽の表現 『シャンブロウ』

 キャサリン・ルーシル・ムーアによるSF短編集。往年の名作。

 主人公のノースウェスト・スミスは、熱線銃と腕っぷしと度胸でもって、太陽系の裏社会を渡り歩いてる無頼漢。
 なのに、火星や金星あたりを冒険するたび、異次元世界に棲む魔女とか、古代遺跡にひそむ妖女などに出くわし、骨抜きにされてしまうというのが毎度の展開。

 こう書くとギャグみたいだけど、人間の認識や価値観を超越したところにある美や快楽についての表現は、今読んでも新鮮。単眼種族の“美しさ”を伝えようとした作家って、他にはいないと思うぞ。
 スペース・オペラの枠組みに、ファンタジーやホラーを詰め込んでるカンジ。

 ムーアの物語には、フォロワーの追随を許さない独自性があるのかも。

 なんてことを思いながら読んでると、ハヤカワ文庫版の松本零士による挿画が懐かしくなってきます。
 しっかし、本書の表紙、これヤバくないかw

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