国の浮沈は政治次第 『十二国記』(既刊12冊)

 小野不由美の大河ファンタジー。
 既刊12冊を1カ月ほどかけて読みました。

 古代中国っぽい異世界を舞台にした、長・中編の連作。
 陸地は12の国家に分かれ、それぞれを王様が支配してるんだけど、いくつかの超自然的な要素が、物語を面白くしてる。

 この世界では、国家間で戦争ができない。創造神がそう定めてるからで、他国に侵攻した途端、攻めた側の王様は死んでしまうらしい。
 侵略戦争や領土問題がない以上、天下統一を目論む覇王なんかはお呼びでない。各国家の浮沈は内政次第なので、施政者には国民との向き合い方が問われることになる。
 政治を行なう王様たちは、血統でも選挙でもなく、麒麟という神獣が、創造神の“天意”を受けて指名する。英雄的な傑物から、平凡な庶民まで、さまざまな人材が王位に就くものの、名君とは限らない。悪政で国民を苦しめた王様は、やがて“天意”によって命を奪われ、また麒麟が新王を探さなきゃならなくなる。

 こんな枠組みの中、災害への無策が招いた飢饉とか、逆臣・佞臣の謀反とか、非情な圧政とか…内政絡みの国難に際し、勇敢に立ち向かったり、健気に生きようとする人々の姿が、じっくりと描かれる。
 なかなかに骨太で、読み応え満点。

 主人公たちが苦難にあえぎ、絶望に打ちひしがれ、力尽きて膝を屈しようとしたところに到来する大逆転と大団円…というノリがまた好きだなぁ♪

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