戻ってほしくないことは何なのか 『コロナの時代の僕ら』

 イタリア人作家のエッセイ集。
 新型コロナウイルスが同国で拡大してた時期の、不穏さがつのる中での暮らしを、淡々とした筆致でつづる。

 著者は合理的メンタリティの持ち主らしく、コロナ禍という災害に対し、科学的に捉え、理性的に行動する…そんな“正しい怖がり方”を示す。
 これまでの“常識”や“良識”を疑おうとする姿勢も含め、見習いたいです。

 非人道的な資本主義によって、地球規模の環境破壊が生じ、コロナ禍を招いた。なので今後、社会がより良い方向へ改善されなければ、同様の災禍がまた起きる。
 これから復興期に入っても、成功体験にひたるのではなく、自分たちが大いに恐慌した体験をこそ忘れずにいよう、コロナ以前に戻ってほしくないことは何なのかを考えよう…と著者は訴える。

 タイムリーすぎる素早い出版だったけど、だからこそ、将来「喉元過ぎれば」を振り返る際の“基点”になりそう。

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