死生観ドライな伊賀忍者 『忍びの国』

 忍者って、超能力者かミュータントかというド派手なものから、農民以上盗賊未満ほどの地味なものまで、いろんな描かれ方がある。

 戦国時代に忍者と武士が激突した「天正伊賀の乱」を舞台にしてる本書では、登場する忍者たちはおおむねリアル指向。
 さまざまな文献を裏付けにしてるらしい、それでも充分に興味深い技や術が、戦いの場面を彩ってる。

 さらに興味深いのが、伊賀忍者の内面。
 瀕死の仲間を平然と見捨てるし、見捨てられた方も「自分があいつでもそうするだろうな」と納得してる。家族が死んでも「やれやれ」みたいな態度。
 自他の生死に無感動というか無関心というか、伊賀で育まれた死生観は、極端にドライなのだ。
 そんな殺伐とした忍者たちと、忠義や武勲に生死を賭けてる武士たちとのコントラストが面白い。

 あと、主人公は傑出した忍者でありながら恐妻家という、やや珍妙な設定なんだけど、そうならざるを得なかった背景がしっかり描かれていて、意外と重厚な読み応えにつながってます♪

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