天竺堂の本棚小説

ブラックな笑いが 限界集落舞台の短編集 『四人組がいた。』

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シニカルな風刺が 『四人組がいた。』

 高村薫のオムニバス短編集。

 山奥にある限界集落が舞台。
 主な登場人物は、地元地域の自治体合併で消えた村の元村長と元助役、野菜売りのオバさん、そして郵便局長。老境に差しかかってる4人組。

 小さな郵便局で4人がダベってると、そこに珍客が…というのが毎回のパターン。
 そうして、人語をしゃべるケモノやら、動き回るキャベツやら、若返りの泉やら、地底世界への風穴やら、妊娠してる幽霊やら、不思議にして奇妙なアレコレに巻き込まれてしまう。

 ところが、巻き込まれる4人は、そろいもそろって世俗にまみれた下世話な面々。
 いつしか物語は、現代社会の暗部や恥部が絡んだ、えらく生臭い方向へと転がっていく。

 ファンタジーとか民話みたいな展開から、風刺の利いたシニカルな笑いに着地していて、そこが愉快。
 それ以上に愉快なのは「高村薫がこんなのも書くんだ」ってところですね♪

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