天竺堂の本棚知識・教養

自由な社会にこそ 実はルールが必要 『友だち幻想』

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『友だち幻想』

 人間関係から生じる悩みについて、社会学者が考察してる本。
 個人への具体的アドバイスや、学校教育への提言などが書いてある。

 興味深かったのは、“自由”とは何か、どんな状態が望ましいのかを説いてる箇所。

 著者によると、自由な社会にこそ、実はルールが必要とされるそうな。
 多くの人が最大限の自由を得ることを目的に設定する、「これさえ守ればあとは自由」みたいな取り決め。そのルールが人びとに守られて初めて、秩序ある自由社会が実現する。
 ルールと自由はワンセットらしいぞ。

 サークルとかのルール決めから、憲法改正論議まで、「自由とセットになってるか?」「どこまで自由が認められるのか?」に着目し、考えてみると良いかも。

 この社会には「人を殺してはいけない」とのルールがあり、みんなで守ってるから、私たちは殺されずに済んでる。
 なので、ルールを破って殺人を犯せば、より殺されやすい社会をもたらす危険性を高めることになる。
 いじめなども同様で、著者は「誰かをいじめると、自分がいじめられるリスクが生まれる」と述べる。
 道徳なんかじゃなく、「結局は自分のため」という実利主義です。

 理屈は分かるけど、ひとりだけルールを守っていても、効果は生じないだろう。
 みんなにルールとして認識してもらうためには、やっぱ学校教育あたりから地道に働きかけることが大切になりそうです。

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