天竺堂の本棚小説

精巧なカラクリ人形 命や魂は…? 『機巧のイヴ』

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『機巧のイヴ』

 ニコニコ笑ってるように見えて、内心は激怒してたり。深く考えてるように見えて、実は何も考えてなかったり。
 自分がそうだから、他人も似たようなものだろう。人間がそうだから、機械も似たようなものだろう。

 犬や猫などのペットロボットが見せるカワイイ仕草は、機械の作動でしかない。
 しかし、ひょっとしたら内部のどこかに、愛情とか忠誠心みたいなものが生じてるのかも知れない。

 詰まるところ、相手が人間だろうと機械だろうと、見た目だけではどんな意思を抱いてるのか分からないし、意思の有無さえ分からない。
 それでも私たちは、相手を見た目で判断するしかなく、「こうであるはずだ」と思い込むしかない。

 ペットロボットを“生きてる”と思い込むのは自由だし、それが愛玩に都合が良いのであれば、ユーザーとしては適切な態度とも言えそう。ヌイグルミなんかも同じだよね。

 “命”とか“魂”って、私たちの関係性の中に生じるのかも。
 押し絵と旅する男がいても、バーチャルアイドルと結婚する人がいても、決して不思議じゃないよなぁ。

 …人間そっくりのカラクリ人形が登場する本書を読んで、そんなことを考えました♪

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