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社会現象に困惑 確信犯的ルポルタージュ 『トラウマの国 ニッポン』

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驚き呆れ困惑する確信犯 『トラウマの国 ニッポン』

 高橋秀実による、ユニークなルポルタージュ。

 マスコミが報道する予定調和や、行政が掲げる理想像、世間のトレンド、社会通念などなど、現代日本における12の事例について、著者が「実際どうなの?」と取材したもの。

 自分のトラウマ探しにハマる人々。将来「ふつうの人」になりたいと願う小学生たち。“ユーモア教室”へ真面目にかよう受講者。共産党員と僧侶を両立してる人物。田舎でのスローライフに疲れ果てた中高年。
 どれもが意外で珍妙で、物哀しさを漂わせたりもしていて、興味深い。

 取材を通して“真実”に直面し、驚き呆れ困惑してしまう著者。そーゆー態度そのものが、取材対象への鋭いツッコミになってる。
 おそらく著者は、事前に「あそこには驚き呆れ困惑するものがありそうだ」と目星をつけて取材し、確信犯的に驚き呆れ困惑してる気がする。だとすれば、ちょっと意地悪だぞ。

 何とも飄々とした、あっさりテイストの読み口なんだけど。
 その裏に、トンガッた批判精神がうかがえます♪

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