小説

不老不死が実現する時 『透明性』

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 半世紀後の近未来が舞台。
 個人の一生分すべてのデータを、生身そっくりの義体に移す技術を、ある企業が開発する。
 食事の必要がなく、病気や老化とも無縁。事故などで義体が壊れても、バックアップデータから個人が復元される。文字どおりの不老不死が実現する。

 不死性を付与する相手は、企業側が選別するという。
 義体化は無料だけど、対象者にはモラルや協調性、環境保全などへの高い意識などを求めるそうな。この“ルール”が公表され、社会は大きな転換を迫られる。
 短期間のうちに、金融システムは崩壊し、宗教紛争も民族紛争も沈静化、自然を破壊する開発事業はことごとく止められ、人びとは率先して助け合うようになる。

 地上に“天国”がもたらされつつある半面、何やら“ディストピア”っぽい不穏さも漂って…という物語。ラストはちょっと驚きました。

 寓話っぽいSFだけど、IT企業が君臨する近未来のビジョンには、現在と“地続き”と思わせる生々しさが♪

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