天竺堂の本棚 暴力肯定の未来 思考実験として読める 『宇宙の戦士〔新訳版〕』 ハインラインの名作SF。 裕福なボンボンだった青年が、ひょんなことから地球連邦軍に志願し、機動歩兵として鍛えられていく様子が活き活きと描かれてる。まさに“読むブートキャンプ”。 ひさしぶりに、新訳版... 【続きを読む】 2018.03.30 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 翻弄される人生 諦念もたらす名作SF 『タイタンの妖女』 未来のことなんて分からない。予想はできるけど、予想しかできない。 かつて自分が「こうなればいいなぁ」と願ってたモロモロは、かなったり、かなわなかったり。どちらかと言うと、かなわなかったことの方が多い... 【続きを読む】 2018.03.27 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 欲望極めた果てに “鬼の副長”誕生へ 『ヒトごろし』 よく「好きなことを仕事にしよう」なんて言う。それをトコトン実践し、「新選組」を結成してしまったのが、本書の主人公・土方歳三。 幼少期に出くわした斬殺の光景に魅せられて以来、歳三は「人を斬り殺したい」... 【続きを読む】 2018.03.13 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 死体や狂人、カルト集団… 面白すぎる 『エジプト十字架の秘密』 名高い「国名シリーズ」の5作目。クイーンの代表作にも数えられるとか。 磔にされた首無し死体。古代エジプトの太陽神を名乗る狂人。孤島にひそむヌーディストのカルト集団。ヨーロッパの旧家に伝わる宿怨。渋い... 【続きを読む】 2018.02.14 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 奴隷を逃がす “奇跡”のトンネル網 『地下鉄道』 沢木耕太郎の『深夜特急』に、旅人を乗せてユーラシア大陸の闇夜を走る特急列車なんか出てこない。 ところが、本書には「地下鉄道」そのものが登場する。 本来は、19世紀アメリカにおいて、黒人奴隷たちを南部... 【続きを読む】 2018.02.01 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 イラっとくるやらガッカリするやら恥ずかしいやら 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 主人公は鈍感なんじゃなかろうか? 人生の重大な岐路が迫っていても、相手が繊細な内面を明かしてきても、ありのままに認識することなく、夢や幻みたいな“不思議な出来事”として捉えてしまう。で、後になって「あ... 【続きを読む】 2018.01.19 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 サスペンスがテンコ盛り 怒涛の展開 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(上・下) 前作からそのまま続き、怒涛の展開が待ってる。 ただし、大暴れしたヒロインのリスベットは、本作ではあまり動かない(動けない)。 国家を揺るがす陰謀と戦う主人公たちのグループと、その陰謀を画策した秘密組... 【続きを読む】 2018.01.15 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 荒ぶるヒロイン リスベットの魅力 『ミレニアム2 火と戯れる女』(上・下) 主役級ヒロイン、リスベット・サランデルの魅力につきる物語(良い所は他にもたくさんあるんですけど)。 小柄で痩せぎすで無愛想。恰好はトゲトゲしいパンクファッション。20代後半なのにハイティーンにも見え... 【続きを読む】 2018.01.11 天竺堂の本棚小説
天竺堂の本棚 ロンドンで競演 「伯爵」「名探偵」「博士」たち 『虚ろなる十月の夜に』 ロジャー・ゼラズニィによる、ホラー風味のファンタジー。 19世紀のロンドン近郊が舞台。 恐るべき何かを召喚しようとする者たちと、それを阻止しようとする者たちが、秘密裏に進める魔術的ゲームの顛末。 ... 【続きを読む】 2018.01.06 天竺堂の本棚小説