小説

天竺堂の本棚

解決直後にオドロキが 古典ミステリの傑作 『火刑法廷』

初めて読んだジョン・ディクスン・カー。  富豪の殺害疑惑に絡んで、遺体が地下霊廟から無くなったり、怪しい女が壁に消えたり、主人公の奥方が伝説的な毒殺魔にそっくりだと分かったり。  各節の末尾に“小さな... 【続きを読む】
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記憶は薄れるが、“無かったこと”にはできない 『忘れられた巨人』

燃えるような憎悪を抱いたり、重苦しい絶望にとらわれたり、消え去りたくなるほどの罪悪感を覚えたり…。 そんな経験もしてきたけれど、どうにかマトモに過ごしていられるのは、忘却のおかげ。  つらい記憶が不意... 【続きを読む】
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半グレが生徒ら襲撃 過酷なサバイバル 『槐(エンジュ)』

月村了衛のシンプル&ストレートな冒険小説。  山奥のさびれたキャンプ場に突如、武装した凶暴な半グレ集団が現れる。たまたま合宿に来てた中学生と引率教師らは、過酷なサバイバルを強いられることに。  生死を... 【続きを読む】
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児童養護施設の日常 丁寧に描く 『明日の子供たち』

例えば、アナタが肥満体だとする。しかも独身で、頭髪が薄いとする。 それはそれとして、アナタなりに毎日をノビノビと楽しく暮らしてるとする。  そんなアナタへ、周りの人たちがあわれむような表情で口ぐちに「... 【続きを読む】
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多種多彩 珠玉の掌編マンガ集 『ひきだしにテラリウム』

九井諒子の掌編マンガ集。  全33編すべて数ページ程度。 内容は多種多様で、SFあり、民話風あり、裁判あり、ホラ話あり、不条理あり、ギャグあり、ラブコメあり、一発ネタあり…。幕切れのオチも、ドンデン返... 【続きを読む】
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政治に翻弄されるスーパーヒーローたち 『完璧な夏の日』(上・下)

アメコミ風のヒーローたちが、本格スパイ小説の舞台で活躍するという異色作。  第二次大戦前、ドイツの物理学者が行なった実験の影響で、世界中に超能力を持つ者が出現。霧を操ったり、物体を消滅させたり、猛獣に... 【続きを読む】
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名将支える3人 合戦で火花散らす 『謙信の軍配者』(上・下)

富樫倫太郎の『軍配者』シリーズ最終話(?)。  戦国時代に関東の最高学府だったという足利学校の学友3人が、それぞれに有力武将の軍配者(フリーランスの軍事専門家)となり、戦場で火花を散らす物語。  本作... 【続きを読む】
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妖術を“智恵子”で撃破 痛快な伝奇活劇 『怪男児』

夢枕獏の伝奇アクション。 キャラの立ちまくった“濃い”ヒーローが、悪漢や魔人をやっつけるという、シンプルな物語。個人的に大好き。  主人公の大学生・出雲あやめは、名前に似合わず冷蔵庫みたいにゴツい、寡... 【続きを読む】
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やっぱカッコいい 探偵マーロウ 『高い窓』

射殺体を前にして冷静に立ち回る。 警官を相手に信頼関係を説く。 乱暴そうな酔っぱらいを茶化してのける。 コワモテなクラブオーナーの事務所で減らず口を叩く。 金持ちの依頼人に対して不遜な態度を崩さない。... 【続きを読む】
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