施設長の学び!現場の学び

“いつもどおり”を演出する

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“いつもどおり”を演出する

 当ブログを書くに当たり、地域性などは出さないつもりだったのですが。
 この4月に地元で起きた熊本地震は、無視することができない大事件でした。

 私が勤めている福祉作業所は、熊本県南部の八代市にあります。
 熊本市東部や益城町、南阿蘇村ほどの甚大な被害は無かったものの、一時期はグループホームの利用者さんたちと一緒に避難したことも。足元を断層が通っているため、震災から1カ月も経っていない現時点では、予断を許さない状況です。

 ウチの施設は、地震を受けて2度、臨時休園しました。
 ありがたいことに、建物や器物に損傷は見られず、職員たちも全員無事。そこで、できるだけ施設を開け、“いつもどおり”に運営することを決めました。

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イレギュラーへの対処が苦手

 知的に障害のある人たち、特に自閉症スペクトラムの人たちは、イレギュラーへの対処が苦手です。通常と異なる事態や、突発的な事態、見通しが立ちにくい事態には、不安感を募らせることが多いと言われます。

 今回の熊本地震は、イレギュラーな事態の最たるものでしょう。
 実際、利用者さんの多くから、不調の訴えが。突然に作業所が休園し、自宅で断続的な余震に脅かされる中、テレビを見れば震災の映像ばかり…無理もありません。

 ウチの施設は、授産事業として飲食店を運営しています。
 お客さまの来店など見込めるはずもなかったのですが、あえて店を開けました。働いている利用者さんたちに“いつもどおり”を感じてもらいたかったからです。奥にある調理部門や製菓部門、そして軽作業を行なう部門でも、“いつもどおり”が維持されるよう心掛けました。

 ユラッと余震が起きても、利用者さんたちの手が止まることはありませんでした。揺れさえ気にならないほどに、個々の作業に集中していたのです。
 利用者さんも職員も、一緒に“いつもどおり”を演出し、この状況を乗り切ろうとしているところです。

 震災が深刻な地域では、障害のある多くの人たちが今も苦しんでいます。施設も自宅も壊れてしまい、慣れない環境での生活を強いられている人も少なくないと聞きます。
 熊本の全域が“いつもどおり”に戻ることを願うばかりです。

photo credit: Emotions of Cups via photopin(license)

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