知識・教養

天竺堂の本棚

奔放な解釈やイメージ 妙な説得力 『入門 山頭火』

放浪の俳人として知られる、種田山頭火の入門書。 というか、山頭火の生涯や作品について、著者が好き勝手に吟味してる本。  山頭火が遺した自由律俳句や日記、評論家による評伝などを読みながら、あれこれと妄想... 【続きを読む】
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論破に期待 反出生主義の理屈 『生まれてこないほうが良かったのか?』

「反出生主義」という思想がある。 「人間は存在すべきではない」みたいな考え方で、格差社会や環境問題などを背景に、近ごろ注目されてる模様。  私たち人間が受ける快楽が多いことを「善い」状態、苦痛が多いこ... 【続きを読む】
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次の社会へ “脱成長”を提唱 『人新世の「資本論」』

経済格差が拡がり、環境破壊も過重労働も進む一方で、地球温暖化は止まらない…ろくなことがない資本主義社会。 広く叫ばれてる「SDGs」なんか焼け石に水でしかなく、社会システムを根底から変える必要があるそ... 【続きを読む】
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“反応”は保身 逃げずに考えよう 『自分の意見で生きていこう』

著者によると、私たちの返答は「意見」と「反応」に分かれるらしい。 後者は「へー」「ふーん」みたいな相づちのほか、情緒的な感想とか、批判や質問などを指すそうな。  反応に共通するのは「ポジションを取らな... 【続きを読む】
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毒も栄養も血肉に変える読書 『遊読365冊』

“地上最強の生物”とか呼ばれる某人物によると「毒も喰らう/栄養も喰らう/両方を共に/美味いと/感じ――/血肉に変える/度量こそが/食には肝要だ」。 これは読書にも当てはまりそう。  本書は松岡正剛が1... 【続きを読む】
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声にならない苦しみ 耳傾ける調査 『世界の悲惨』(1)

フランスの社会学者・哲学者ブルデューが指揮し、市井の人びとに行なった聴き取り調査の本。 全3巻のうち、第1巻を読む。  本書のコンセプトは「社会は表立って表現されることのない苦しみであふれている、その... 【続きを読む】
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ヤル気しかなくても 徹底的に応援  『独学大全』

勉強が大嫌いだった私。 ではあるけど、馬齢を重ねるほどに自分の無知を思い知らされ、ついに「どうにかしよう!」と一念発起。 したは良いものの、もはや導いてくれる人はおらず、「どうするの?」と戸惑うばかり... 【続きを読む】
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格差や分断生む 資本主義の問題 『日本列島回復論』

商品やサービスを提供する際、しばしば「差別化をしよう」とか言う。競合との差別化ができれば、値下げ競争におちいらずに済むから。  ところが、そのあたりに資本主義の大きな問題があると著者は述べる。 ライバ... 【続きを読む】
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私たちの言動縛る 閉鎖的な“場” 『同調圧力』

犯罪者の親族へ非難が集まる。部活で先輩への服従を強いられる。会議で前向きな提案をして煙たがられる。ダークスーツを着て就職活動に臨む。 これらの現象は、日本社会にはびこる同調圧力の作用。 誰かが「こうし... 【続きを読む】
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