ニール・ゲイマンのファンタジー巨編。
舞台は現代アメリカ。
さまざまな民族・人種が集まるこの国には、世界各地から移民たちが連れてきた神々も存在してる。
ところが、信者の減少とか、科学や経済への信頼の高まりによって、神々は徐々に弱体化。いつしか庶民に紛れて暮らすようになってしまった。
一方、社会に普及したインターネットやクレジットカードなどから、新たな神々が出現してもいる。
こんな状況に危機感を抱いた北欧出身の旧神が、全米の同類たちに檄を飛ばし、新興の神族に戦いを挑む…という物語。
根底にあるのは「人間たちが心の拠りどころとして神を創造した」という世界観・設定。
そんな神と人間の関係性に、アメリカの社会や風俗などの描写が巧みに織り込まれ、物語に奇妙なリアル感が加わってる。
各章の間に、かつての移民たちの苦労と、それに寄り添う神々の姿が、サイドストーリー的に挿入されてる。どれも掌編ながら読み応え充分。
物語世界にシリアスな陰影をもたらしています♪