
士官学校を卒業した青年が、国境の城塞に配属される。
母国を外敵から守る防衛拠点なんだけど、城塞の向こうに広がる砂漠に、侵略者の気配はない。兵士としての英雄的な活躍などとは無縁の環境で、ひたすら砂漠を見張る日々。
主人公は異動を望むものの叶わず、やがて城塞での単調な暮らしに埋没していく。
……何とも冷ややかにして無情な物語。結末はさらに無情。
それでも読み進んでしまうのは、主人公がたどる人生を、自分に重ね合わせずにはいられなくなるから。
過去のホロ苦い記憶がよみがえって、何かを待ち続けてきた(そして何も起こらなかった)歳月、その重さが胸にズシンとこたえます。
![タタール人の砂漠 (岩波文庫) [ ディーノ・ブッツァーティ ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/1919/9784003271919.jpg?_ex=128x128)
