文字を読んでトイレに行けなくなるほど怖くなったのは、後にも先にも『シャイニング』だけ。偏執的なほどに密度の濃い文章でもって、恐怖をジワジワと高めてくれた。
本書はその続編。
前作の主人公だったダニー(ダン)・トランスは、一時期は父親さながらのアルコール依存症になるも、更生してホスピスの介護職へ。
そんなダンに、神秘的な能力“かがやき”を持つ少女・アブラが接触してくる。他方、子供の“かがやき”を捕食して生きる連中「真結族」が現れ、アブラを狙う。
クーンツばりの緊迫したサスペンスが目まぐるしく展開、グイグイと読ませる。
前作とは質的に別モノ。なんだけど、酒浸りの過去を克服して中年期を迎えたダンが情感豊かに描かれていたりして、読み心地はなかなかにイイ。後味もイイぞ。
ホラー小説において傑作とも金字塔とも評される前作を超えようとするのではなく、読者が知りたがる“主人公のその後”に重点を置いて、異なるテイストのエンターテインメントに仕上げてる。
…老練な仕事ぶりが光ってます♪