
ウチの施設には、グループホームが併設されています。
住人の大半はウチの利用者さんです。他の施設にかよっている人もいます。
入居する利用者さんの希望があれば、私たち施設側が金銭管理を支援します。
具体的には、郵便局の貯金口座から金銭を出し入れするための入出金伝票を書くことです。
郵便局は近所にあるので、利用者さん本人に徒歩で行ってもらいます。
貯金通帳や伝票を窓口に提出するだけで出金の手続きが済むよう、あらかじめ郵便局側にお願いしてあります。入金時も同様です。
郵便局にはATMがありますから、利用者さんが自分で入出金すれば良いのですが。
ATMの操作を間違えた場合、利用者さんによってはリカバリーが難しいことがあります。例えば、「0」がひとつ多い額を出金してしまった時は、いったんお金を入金し直して正しい額を再出金しなければならないのですが、そのような操作が即座にできるとは限りません。
窓口で郵便局員さんを介すことにより、ATMで予想されるトラブルを避けることができます。
少々の不都合なら局員さんが融通を利かせて下さいます。それができない時は施設に連絡が入るので、私たち職員が対処しに出向けます。
もはや止まらない キャッシュレス化の流れ
いつも週末になると、休日のお小遣いを出金したい利用者さんたちが郵便局の窓口に列をつくります。
ATMならば自動的に済んでしまうところ、わざわざ窓口で手間をかけて下さる郵便局の対応を、支援する側としてはありがたく思っています。
社会ではキャッシュレス化が進んでいます。スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ファストフード店などには、金銭も人間も介すことなく支払いを済ませられるセルフレジの機械が、続々と導入されています。
便利になっているようにも見えますが。グループホームの利用者さんたちの中に、これらの機械を迷わずに操作できる人は少なそうです。
とは言え、このキャッシュレス化の流れは、もはや止まらないでしょう。
せめて将来、利用者さんたちであっても簡単に操作できるよう、機械が高性能になってくれることを願うばかりです。