日本の哲学者が、社会のこれまでを振り返り、これからを展望してる本。
私たちの自由と平等についての考え、その根底にはロック的な傾向(消極的な自由、機会の平等、右派)とルソー的な傾向(積極的な自由、結果の平等、左派)があって、それぞれが近・現代社会の政治や経済に影響をおよぼしてきたそうな。
ところが、近年は右派も左派もゴッチャになり、格差は拡大する一方、巷には閉塞感が強まってる。資本主義という社会の仕組みは、どうやら行き詰まりつつあるらしい。
そこで著者は、新たな社会を構想するために、思考の枠組みの相対化…SF映画に例えて「『マトリックス』の外に出ること」を提唱。
ただ、その先については“みんなが覚醒すれば自ずと開ける”的な言説にとどまってる。
イマイチ弱いというか、あやふやすぎる印象も。
書名どおりの内容ではなかったけど、アメリカが“世界の警察”を自認してる理由とか、アベノミクスのヤバいところなどを、史実に則しながら解説。
近・現代における思想と社会の関係がよく分かります♪