斎藤美奈子による、現代日本の文芸評論。
1960~2010年の純文学を中心に、SFやミステリ、ケータイ小説まで、幅広く網羅。
年代ごとの社会情勢や出来事に絡んで、その時に話題となった文芸作品が列挙される。
時代の影響を受けて作品が生まれたり、作品によって時代が浮き彫りになったり…そんな相互作用が興味深い。
著者ならではの痛快な言説、良く言えば「明晰」「直截」、悪く言えば「あけすけ」「身も蓋もない」ところが堪能できるぞ。
読み物として面白いし、評論としての説得力もあります。
新書1冊に50年分が盛り込んであるので、さすがに窮屈。
なんだけど、スペースが限られてることで、むしろ明晰さや直截さが十二分に発揮され、より痛快になってるようなw