宮田珠己の紀行(?)エッセイ集。
珍しいとまでは言えないけれど、誰もが知ってるというほどでもない。…全国のビミョーな土地を訪れ、ユニークな視点でもって観察してる。
行間に何ともユルい空気が漂う。良く言えば「自由奔放」、悪く言えば「イイ加減」。
探訪しながら、空想の迷路へと脱線してしまうこともあれば、著者がハマってるという小石拾いや海洋生物観察に終始することもある。
自宅の庭を一周するだけという、チープな章も。
広い土地ではないものの、隅々まで知り尽くしてる訳でもない。改めて歩いてみると、意外な発見があったり、昔の記憶がよみがえってきたり。
著者の内省と妄想に彩られていて、これが妙に面白い。
どーでもいいことでさえ、読ませる文章に仕上げてしまう。
そんな、プロのライターとしての“芸”と“業”が味わえますw