東京から大阪までを“散歩”した、久住昌之のエッセイ。
下調べなどはせず、気まぐれに寄り道などをしながら、マイペースに進む。
くたびれたら無理をせずに中断し、鉄道で帰宅。そして後日、中断した地点まで鉄道で戻り、そこから散歩を再開する。
こんな歩き方で、2年をかけて東海道を踏破したそうな。
豪放磊落な“野武士”を気取り、旅路でのハプニングを楽しもうとする著者。
そのくせ、道に迷って不安になったり、通行人に話しかけられてうろたえたり。切羽詰まって、スマートフォンのナビゲーションに頼ってしまうことも。
意思と行動が一貫してない。だけど、そんな人間くさいところが、エッセイの面白味を増してる。
ちょっと興味深かったのは、東京都心で生まれ育ったという著者による、“田舎”の捉え方。
都会の連中は、地方では何を見て、どう感じるのか…田舎者の私には、そこが新鮮でした♪