予定や約束、やっておきたい雑事などを忘れずに行なえるよう、手帳に書き込むことにする。
ところが、要件を書き忘れたり、手帳を見るのを忘れたり、手帳をどこかに置き忘れるなどして、どうにもうまくいかない。
そこで、要件の書き込み方を工夫したり、カラーリングが目立つ手帳に買い替えたり、手帳に鈴のストラップを付けたり、あれこれ工夫を重ねていく。
そうしていつしか、いろんなアクセサリーがゴテゴテ付いた重くて分厚い手帳らしき残骸を前に、「果たして自分は何がしたかったのか?」と頭を抱えたりする。
人生そんなもの。
…なんてことを、良くも悪くも物語がナナメ上へナナメ上へと転がっていく、この奇妙にして不穏な短編集を読んで思いました♪