「傾聴」という言葉があります。
大まかな意味は「相手の言葉を、注意深く丁寧に聴き取ること」。福祉においてはカウンセリングなどの、ビジネス関係ではコーチングなどの、基本的な技術とされています。
ところが、技術であるはずなのに、教えられているのは一般的に、姿勢や心構えなど抽象的なものが多いようです。
どうすれば傾聴になるのでしょうか? どうすれば「相手の言葉を、注意深く丁寧に聴き取ること」になるのでしょうか?
相手の話していることを、自分の言葉で言い換えつつ、そこに感情を反映させる。
私が見聞きした中では、これが傾聴についての最も具体的で分かりやすい説明です。
スティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』で述べられています。ビジネス書なので、いささか言説が即物的ではありますが。
武術での“型”に相当
「会社に行くのがつらいんです…」
「出社する意欲が湧かずに、悩んでいるようですね」
「企画の手応え、悪くないんですよ」
「うまく企画が通って、充実感があるみたいですね」
スムーズに応答できるようになれば、傾聴が技術として身に付いていると言えそうです。
これは武術での“型”に相当すると言えるでしょう。あくまでも基本であり、流動的な現場でそのまま通用するとは限りません。
さまざまな状況で“型”を活用するには、姿勢や心構えも、やはり大切なのです。
photo credit: ChrisGoldNY Shooting with JuJu Chan – Antelope Valley Poppy Reserve, California via photopin (license)