世間の仕事や職業は、「肉体労働」と「頭脳労働」に分けられます。
近ごろは、これに「感情労働」というカテゴリーが加わっている模様。接客やクレーム処理など、感情の抑制が不可欠とされる労働のことです。
ウチの施設は、障害者の授産事業を行なっています。利用者さんたちの肉体労働や頭脳労働を、職員の福祉的支援によって実現している職場です。
適切な支援を受ければ、利用者さんたちはさまざまな産業活動に取り組むことができます。活動の中で成長し、支援を必要としなくなる利用者さんもいます。
ですが、感情労働の部分では、多くを職員が担っています。
障害のある人たちは、おおむね感情労働が苦手です(例外的な人もいますが)。
障害によって、他者の思いを推察できない人や、自分の気持ちを抑えられない人がいます。叱責やいじめなどを受け続けてきた経験から、相手の言動がストレスに直結しやすくなっている人もいます。
謝罪や弁明を行なうのは職員
利用者さんの感情労働について、ウチの施設では、失敗しにくい状況で成功体験を重ねてもらい、自信を少しずつ育てていく支援を行ないます。負担が重そうであれば、初めから感情労働を避けるようにも配慮します。
授産製品について苦情が寄せられたら、謝罪や弁明を行なうのは職員です。どこの施設でも、そうしているでしょう。
業務での感情労働と、それに伴うストレスについて、私たち職員は把握・自覚しておかなければなりません。自分を守るために。支援を続けるために。
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