福祉作業所に太陽光発電のパネルを設置し、発電効率が落ちないよう利用者さんたちに毎日拭き上げてもらい、それを授産事業にする。
こんなアイデアを、某福祉団体の会議で提案したことがあるのですが、出席していた人たちから「それは授産になりませんよ」と一笑に付されてしまいました。
ところが後日、まったく同じことを実際に授産事業として行なっている施設の存在を知りました。
私は「同じことを考える人もいるのだな」と思い、また「発想力と同じくらい、実行力も大切なのだ」とも思いました。
私たちは、利用者さんたちが収益を上げることができる事業はないか、常に模索しています。
模索するのは、現在行なっている事業において充分な収益を上げることができていないからです。
各地のさまざまな事例が
意識してアンテナを伸ばしていると、各地のさまざまな事例が耳に入ってきます。
障害者が描いたイラストをボディにプリントしてある自動販売機。
その自販機でジュースが売れると、1本につき数円が描き手の収入になるという仕組みです。
精神障害のある人たちの職場としてラブホテルを検討したという、ユニークな事例も聴きました。
生活リズムが昼夜逆転していても深夜や早朝に働いてもらえるうえ、直接的な接客を必要とされない…などの理由から。
さすがに後者の計画は頓挫したそうですが、前者の取り組みは普及している模様。
太陽光発電や自販機、ホテルの事例に共通して見られるのは、“ほぼ自動的に収益を上げる仕組み”というところ。
すぐに思い浮かぶところでは、コインランドリー、セルフサービスのガソリンスタンド、発電用水車なども同様でしょう。
このような仕組みに利用者さんたちを関与させることができれば、安定した収入につながりそうです。
さまざまな事例から、柔軟に学びたいと思っています。そして、果敢に実行したいとも。
photo credit: evenkolder Solar Panel for Solar Fountain 1 via photopin(license)