ある研修で、リフレーミングのワークを行ないました。
問題とされる行動や現状などを、異なった側面から見直し、その特徴に新しい意味を付与すること…これがリフレーミングです。簡単に言うと「物事をポジティブに捉え直すこと」でしょうか。
例えば、レストランでメニュー選びに時間がかかってしまう時。これを「優柔不断だ」と否定的に捉えるのではなく、「判断に慎重だ」と肯定的に捉えます。
自分自身にも他人に対しても肯定的な姿勢でいられるようになるので、リフレーミングは福祉専門職に有用な技法とされます。
研修のワークでは、「私の嫌いなところは…」との文言に続けて、自分の欠点や短所と思われることを3点ほど書き出します。そして、その紙を隣の人に回します。
用紙を受け取った人は、書いてある3点をリフレーミングし、「私の好きなところは…」との文言に続けて新たに書き出します。そして、その紙を隣の人に返すのです。
予想と異なるリフレーミング
私は以下のように書きました。
「私の嫌いなところは、忘れっぽいところです」
「私の嫌いなところは、口下手なところです」
「私の嫌いなところは、人見知りをするところです」
隣の人は以下のようにリフレーミングしてくれました。
「私の好きなところは、物事を気にしないところです」
「私の好きなところは、言いたいことを伝えようとするところです」
「私の好きなところは、人間観察ができるところです」
私は新鮮な驚きを覚えました。
リフレーミングについては以前にも教わったことがあるので、自分の書いたことをどう“変換”するべきか、おおむね予想できていたつもりでした。
ところが、隣にいた人のリフレーミングは、私の予想とは大きく異なるものだったのです。もちろん、それは肯定的なリフレーミングですから、私は驚きとともに嬉しさを感じました。
事実に基づいている、しかし想定外の評価を受けると、このような気分になるのかも知れません。
誰もがリフレーミングし合えるようになれば…と私は想像してみました。
私たちを取り巻く環境をより良くするために、リフレーミングは効果的なツールになりそうです。
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