多くの人は、断ることが苦手です。私もそうです。
私たちの「相手の気分を害したくない」「期待に応えられる自分でありたい」という思いが、「いいえ」「できません」との言葉を言いにくくしているようです。
私は先日、「断るべき時は、はっきりと断りましょう。それは良いことなのです」と教わりました。アサーション・トレーニングの研修会でした。
アサーションとは“自己主張”のこと。相手の気分を害すことなく自分の意見を伝える技法を学ぶ…それがアサーション・トレーニングです。
講師は、精神保健福祉が専門の大学教授でした。
気遣うのであれば、むしろきちんと
「NO」「いいえ」という言葉、その“正体”について、先生はいくつか挙げました。
1.相手と自分に誠実でありたいからこそ言う言葉
2.相手と自分の違いを認めていることを伝える言葉
3.自分にできることとできないことを分かってもらう、理解の言葉
4.相手と長くより良い関係を築く、架け橋の言葉
5.間違いを指摘して立ち上がる、勇気の言葉
相手や自分のことを気遣うのであれば、むしろきちんと断る方が良いのです。
「相手に率直に伝えていくことこそが、問題の解決につながります。一緒に解決をはかるチャンスと捉え、絶望ではなく希望を持って相手と向き合いましょう」と先生。
断ることを避けていると、否定的な感情を溜め込んでしまい、心身の不調となって表れることがあるとのこと。
礼儀としての“断り方”も大切でしょうが、まずは“断る自分”を受け容れることが必要とされるようです。
photo credit: United States Marine Corps Official Page via photopincc