「我が社は“果樹園経営”を目指しています」
中小企業家同友会の例会で聴いた、ある社長さんの言葉です。
この社長さんの会社は、住宅リフォームが事業の中心。果物とは関係ありません。
果樹園とは、経営のスタイルを表す比喩なのです。
果物は樹木に実ります。収穫するためには、まずは苗木を手に入れ、水や肥料をやるなど世話をして、成長を見守らなければなりません。利益が出るまでには、少なからず時間がかかります。
ですが、大きな果樹に育ったならば、毎年たくさんの果物が安定的に穫れるようになるのです。
儲けた分は人材育成に
果樹に当たるのが職員。じっくりと教育し、組織に貢献できる人材を育てよう…というのが、果樹園経営のポイントと思われます。
「最高の節税対策は社員教育。儲けた分は、社員をセミナーに出したり、仕事に役立つ本の購入などに使いましょう。社内の人材育成が進めば、やがて大きな利益をもたらしてくれれます」
熱く語る社長さん。話の端々に、部下たちをほめる言葉が飛び出します。言行一致で実践されている様子がうかがえました。
ウチの施設は社会福祉法人が運営しているので、節税には比較的縁が薄いのですが。
それでも、果樹園経営についての言説は、大いにうなずけるものでした。