社会福祉を学ぶ人は、必ず「個別化の原則」というものを教わります。私の場合、社会福祉士を受験する際に勉強しました。
支援の対象を“集団”で捉えるのではなく、異なる背景や課題、思いなどを抱えた個別の存在として認識しなければならない…大雑把に言うと、そんな原則です。
例えば、ある状況で支援者が「大丈夫ですか?」と訊き、相手が「大丈夫です」と応じた場合…。
異なる思い、異なる対応
Aさんの「大丈夫」には、「本当は自信が無いが、余計な心配をかけずに済ませたい」との思いが含まれています。
Bさんの「大丈夫」には、「どう答えるべきか分からないから、ここは同じ言葉を返しておこう」との思いが含まれています。
Cさんの「大丈夫」には、「質問の意図が理解できないが、自分の困惑を相手に悟られたくはない」との思いが含まれています。
Dさんの「大丈夫」には、「そうか。そうなのだ。私は大丈夫なのだ。大丈夫でいなければならないのだ」との思いが含まれています。
これらは、ウチの施設において実際、職員が把握していることの一部です。
言うまでもなく、4人それぞれに異なる対応が必要となりますよね。
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