政策提言機関「日本創成会議」の人口問題検討分科会による、検討結果や議論などをまとめた本。
日本では、地方から首都圏への若年層の流入と、社会の晩婚化・晩産化に伴う出生率低下で、人口減少が急速に進んでるそうな。
地方は弱体化し、自治体の半数近くが“消滅可能性都市”に。一方、人口が一極集中する首都圏は、元からいる者は高齢化し、流入してきた者は低賃金と物価高で使い潰されるという、まるで“ブラックホール”状態。
対策として本書では、全国の中核都市を、首都圏への人口流入を食い止める“ダム”と位置付け、ここに施策を集中させて都市機能を高めることを提言。
人口減少を前提に、マイナスの影響を最小化しようとする、これは“撤退戦”だと。
活路が見出だせるかは未知数だし、有効策は他にありそうな気もする。
けれど、本書の「楽観論は危険だが、悲観論も益にならない」との姿勢は見習いたいです…。