天竺堂の本棚小説

凄腕の主人公 飄々とした魅力 『用心棒』

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『用心棒』

 主人公のジョーは、ニューヨークにあるストリップクラブの用心棒。

 痩せぎすで、ややムサい風貌。胸に「SECURITY」とプリントされたTシャツを着てる。ハーバード大学を中退し、陸軍特殊部隊で活躍してたという、風変わりな経歴。ヒマな時はドストエフスキーとか読んでる。
 店で暴れるアメフト選手を瞬時に制圧してのける腕前と、酔いが冷めてショゲかえる選手をなぐさめてやる優しさの持ち主。ストリッパーたちの信頼も篤い。

 著者はクロサワ映画のファンらしいので、やっぱジョーの造形には、三船敏郎のイメージが影響してる模様。
 だけど、凄腕を感じさせない飄々としたたたずまいは、むしろ浦沢直樹あたりのマンガに登場しそう。

 物語はカラッと明るく乾いたテイストのピカレスク・ロマン。
 テロリストの暗躍を軸に、マフィアやFBIやCIAなどが絡んで、派手なアクションが目まぐるしく展開する。
 脇のキャラたちも立っており、ジョーを雇ってるマフィアのボスとか、なかなかに面白いぞ。

 人情味のあるジョーの魅力も手伝って、楽しく読めました♪

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