古代中国の戦国時代、燕の武将として活躍した楽毅の一代記。
漢の高祖(劉邦)も、蜀の諸葛亮も、楽毅をリスペクトしてたという、武人としてはスーパースター級。原泰久のマンガ『キングダム』でもレジェンド扱いだぞ。
弱小だった中山国に生まれ、遊学して孫子の兵法を習得。隣国・趙の猛攻を、知略を駆使して幾度もしのぎ、中山国が滅亡するまで抗戦した。
その後、有名な故事「隗より始めよ」でもって燕王にスカウトされ、大国・斉を攻めるべく、5カ国の連合軍を率いたそうな。
本書では、中山国での苦難がじっくりと描かれてる。
若いころの楽毅については不明な部分が多いらしいので、著者の創作が大きい模様。だけど、おかげで斉を攻略する終盤の華々しさに説得力が生まれてる。
そんな楽毅も、燕の皇太子から疎まれ、かつてのライバルだった趙へ亡命することに。
才能に恵まれても、上司に恵まれなかったら、なかなかにキツい人生を歩まなきゃならなくなる…というあたり、昔も今も変わらないようですw