天才哲学者の生涯や業績について、言語哲学・分析哲学の専門家が紹介してる本。
言語の限界、認識の極致を見極めようとしたウィトゲンシュタインの思索。
それはもちろん刺激的なんだけど、当人の生き方も、負けず劣らず刺激的だった模様。風変わりで突飛な言動の数々から察するに、自閉症スペクトラムっぽい面がうかがえる。
哲学的な業績については、半分も理解できた自信はない。だけど、人間的にユニークすぎるので、おおむね興味を持って読み通すことができた。
哲学って、しばしば「まだ科学が及ばない領域を探る学問」とか「科学では答えられない問題を扱う学問」みたいに思われがちだろうし、実際にそう思ってた。
ところが、本書を読んでみたところ、むしろ美術とか音楽に近い模様。「切実な欲求から生じる活動」なのかも知れませんんね。