久住昌之の紀行エッセイ集。旅行雑誌に連載されたものらしい。
全国各地のローカル路線を訪れ、駅に降り立って、線路沿いをテクテクと歩く。“旅”ではなく“散歩”に近い、何ともユルい企画。
食堂で腹ごしらえをしたり、銭湯でひとっ風呂浴びたり。雨に降られて困ったり、線路を見失って不安になったり。妄想をたくましくしたり、空想にふけったり。
著者の真似をしたいとは思わない。沿線を訪れてみたくなる訳でもない。なのに、不思議と楽しく読めてしまう。
自分の身代わりとなった著者が、頼まれてもいないのにウロウロしてくれてる…そんなカンジ。ありがたくはないけれど、迷惑でもない。
「著者にしかできない」「著者にしか書けない」は言い過ぎかも。けれど、「あってもイイよな」と思える一冊ですw