社会科学系の研究者4人が、日本社会の現在と将来を見通す“材料”を、オトナ向けの教科書として提示してる本。
分野横断的な広い視座や、平易な記述が特徴。
この国では“勤労”が重視されてきたために、現役世代への福祉支援が弱くなってること。
民主的な意思決定方法と考えられてる多数決も、やり方によっては結果を大きく左右すること。
近年は社会問題が個人化・個別化しているため、当事者たちが団結しにくくなってること。
…などなど、興味深い事例や知見を紹介。
社会が抱える課題と、それについてどんな議論や研究がなされてるのかが分かる。
半面、“今後”へ向けての記述は、人口減少社会への先進事例とか、これからは「進歩」に代えて「希望」を目指そうという提言とか、内容がイマイチ薄弱な印象。
「オトナなんだから、こっから先は自分たちで考えろ」ってことかもですねw