森見登美彦のオムニバス的な奇譚集。
10年ぶりに集まった5人の男女が、奇妙な体験を語り合う。
エピソードは多様だけど、失踪した女友達や、夭逝した銅版画家による連作「夜行」など、共通の背景がある。
現実離れした怪異について、意味も理由も明示されなかったり。謎が謎を呼ぶ展開なのに、えらく唐突な幕切れが訪れたり。
胸騒ぎを誘う不穏な気配が、物語全体を覆ってる。
読後には、未消化なもどかしさというか、不条理感みたいなものが残ってしまいます。
だけど、むしろそこが、神秘的な魅力につながってる模様♪