谷甲州のSF作品群「航空宇宙軍史シリーズ」の総集編。その第1巻は、長編2本がまとめられた、お得な一冊。
人類が太陽系へ進出してる未来世界を舞台にした、連作の戦記モノ。
なんだけど、“スペースオペラ”からは程遠く、美形の少年少女キャラとは無縁。最終兵器も異星人も超光速航法も出てこない。
1作目「カリスト-開戦前夜-」では木星の衛星国家で、2作目「タナトス戦闘団」では月面都市で、現在の延長線上に現れそうな科学技術と、軍服姿の熟年オヤジたちによって、いつの時代にも繰り返されてきた人間同士・国家同士の葛藤が描かれます。
地味にして堅実、そして渋い、ちょっとクセになる作風。好き嫌いは分かれそうだけど、私は結構好き♪