天竺堂の本棚小説

不条理で刺激的 地球防衛の奇策  『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』

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『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』

 スポーツであれば、勝敗の決着はルールで決められてる。ルール無用のケンカでも、どちらか一方が闘えなくなるか、あるいは死んでしまえば、それで決着だろう。

 …ならば、戦争は?
 どちらかの軍勢の、いちばん偉いヤツが白旗を掲げたら決着か? それとも、国家元首が降伏しなきゃならないのか? 最後の一兵が倒れるまで? 国土が占領されるまで? 全国民を服従させるまで?

 …本書は、神林長平『雪風』シリーズの4作目。
 異星からの侵略者「ジャム」は、人類と何十年も交戦してるのに、その正体は謎のまま。生物なのか何なのか分からないし、まともにコミュニケーションが成立したこともなく、そもそもニンゲンを“敵”と認識してるのかさえ怪しい。「すでに人類は敗北してしまったらしい」とか「もう地球に侵入されてるらしい」なんて説までささやかれるように。
 こんなアヤフヤな相手&状況であっても、地球防衛のためには戦争しなきゃならない。
 そこでヒネリ出された奇策、その不条理さが実に刺激的です♪

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