某地方都市に住んでる私。
中心部にある商店街は、近郊にショッピングモールが建ったころから、徐々に寂しくなってる。
かつて数年にわたり、行政主導で中心市街地活性化の事業が進められたが、効果のほどはよく分からない。
ところで、前述のショッピングモールは河岸に建っており、そばの河沿いにきれいな遊歩道がある。
驚いたことに、この遊歩道は活性化事業で整備されたそうな。ショッピングモール周辺は、中心市街地活性化の対象地域だったのだ。
自治体は「大型商業施設に買い物に来る人の流れを商店街に呼び込もうと整備」とか説明してるけど、遊歩道があるからといって、数キロ先の商店街まで歩く人はいないだろう。
整備すべきは他にあったはず。珍妙な意思決定がなされてしまったのはなぜ?
…という疑問が、本書を読んで解けた気がする。
「地域を良くしたい」程度のアバウトな理念と、巨額の事業予算のもとに、意欲や度量や知識や危機感や能力や価値観や立場などが異なる面々が集まり、合議を経ながら計画を進めようとすると、しばしば“船頭多くして船山に上る”みたいな結果に至るらしい。
費用や労力を無駄にしないためには、知っておかなきゃならないことがたくさんあるようです…。