古代中国の思想家「墨子」を勧めてる本。
平等と博愛を説く「兼愛」や、侵略戦争を否定する「非攻」などの考えを、今の社会にこそ必要とばかりに、著者は激推しする。
墨子と聞いて思い浮かぶのは、酒見賢一『墨攻』で描かれた、侵略されそうな都邑に入って防衛を手助けする、守備専門の軍事コンサルタントみたいなイメージだけど。
弱者のために発揮された知識や技術の根底には、兼愛や非攻という理念があって、著者はそちらに着目。理念実現への奮闘努力を呼びかける。
熱意みなぎるあまりの脱線(飛躍?)も散見されるけど、それらも含めて興味深く刺激的な一冊です。