小説

天竺堂の本棚

奇書めぐるミステリ 濃いキャラ続々 『女學生奇譚』

読んだ者が発狂したり、失踪してしまうという古書『女學生奇譚』。  どこかの屋敷に監禁されてたらしい女学生の手記(古書の内容)と、その謎を主人公のフリーライターが追っていく様子が、交互に物語られる。 不... 【続きを読む】
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市井に棲む神々 新旧の争い 『アメリカン・ゴッズ(上・下)』

ニール・ゲイマンのファンタジー巨編。  舞台は現代アメリカ。 さまざまな民族・人種が集まるこの国には、世界各地から移民たちが連れてきた神々も存在してる。  ところが、信者の減少とか、科学や経済への信頼... 【続きを読む】
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エキゾチックな趣 森博嗣の時代劇 『ヴォイド・シェイパ』

森博嗣による、ユニークな時代劇。  伝説的な剣豪に山奥で育てられた青年ゼンが、旅をしながら剣士として成長していく物語…らしい。  舞台は日本っぽいけど、人名はカタカナ表記だし、時代や地域などの明確な記... 【続きを読む】
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“真の敵”との壮大な宇宙戦争へ 『航空宇宙軍史・完全版』(三~五)

谷甲州による大河SFシリーズの総集編。残る3冊を一気読み。  太陽系内を舞台にした、工学系やミリタリー系の緻密な描写が光る、堅実で渋い未来戦史…みたいな前半2冊の印象が、大きくくつがえされてしまう。 ... 【続きを読む】
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押し込めたモノゴト 向き合うべき時 『騎士団長殺し』第1・2部

ツラい思い出とかイヤな経験とか、そんなモノゴトを「無かったことにしたい」「忘れてしまおう」と無理矢理ココロの奥に押し込めても、やがてジクジクと表面に染み出してきて、日常生活に悪影響を及ぼしたりするんだ... 【続きを読む】
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シリーズの転機? 主人公に変化 『三鬼』

怪談話のオムニバス「三島屋変調百物語」シリーズの4巻目。  残酷な物語には切なさが、トボケた物語には哀愁が、中編4話それぞれに異なる趣があって読ませます。 特に4話目「おくらさま」は、主人公の心境に変... 【続きを読む】
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ラジオを通じ 交錯する人生 『すべての見えない光』

どこか遠くから電波に乗って飛来する声や音楽を、雑音の中からすくい取るラジオ。ツマミをいじってると、ノイズが突然、耳慣れない異国語の歌に変わってビックリしたりして。このIT社会では古くさいのかも知れない... 【続きを読む】
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オトコの願望 実現してくれる探偵 『プレイバック』

こちらを見下そうとしてくる尊大な相手を、鋭い皮肉でヤリ込めたい。 拳銃を突き付けられたら、「あくびが出そうだ」と余裕カマしたい。 大金の小切手をチラつかせられても、無関心っぽく振る舞いたい。 損得抜き... 【続きを読む】
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借金取り立てSF!? ブッ飛んだホラ話 『スペース金融道』

SF版『ナニワ金融道』みたいな、宮内悠介の異色作。  遠未来の植民惑星「二番街」を舞台に、「バクテリアだろうとエイリアンだろうと、返済さえしてくれるなら融資をする」という方針の惑星間企業「新生金融」の... 【続きを読む】
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