天竺堂の本棚小説

懐かしさの奥にひそむ 寂しさや痛々しさ 『死んだ山田と教室』

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『死んだ山田と教室』

 誰もが必ず関わる、学校や教室というもの。
 少数のオトナが多数のコドモを教育するための、効率的な枠組み。

 私たちは若年期、学校に通い、教室に入る。年齢とか学力とか居住地などの条件により、若者たちが学校に集められ、ある期間を教室で一緒に過ごす。
 そんな状況・環境に、慣れ親しんで楽しむ生徒もいれば、馴染めずに忌避したがる生徒もいる。前者は「この素敵な日々がいつまでも続いてほしい」とか願うのだろうし、後者は「こんな苦しい日々はすぐに終わってほしい」なんて望むのかも知れない。
 どちらにしても、卒業して社会へ出ると、徐々に記憶が薄れていき、やがて「いろいろあったけど、もうどうでもイイや」みたいな境地に至る。

 すべては過ぎ去るものだし、そうでなければならない。

 ……クラスの人気者だった「山田」の死と、その後の奇妙な現象について物語られる本書。学校や教室への懐かしさに加え、その奥にひそんでる寂しさとか痛々しさを、強く感じさせる読書体験でした♪

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